中川酒造の酒造り

幻の酒米「強力(ごうりき)」へのこだわり

仏国のワイン法(A・O・C原産地統制呼称法)の如く真の地酒の姿を求め、テロワール(風土性)を感じる酒を醸す。

水へのこだわり

1. 強力(ごうりき)とは

「強力」とは大正時代に鳥取県立農業試験場により在来種から選抜育成され、特産酒米として一時期は六千余町歩も生産されていました。
強力米の歴史は古く、「山田錦」の祖先である優良酒米「雄町」の更なるルーツであるという説もあります。
昭和20年代の食糧難の時代、反当りの収穫量の少なさ、尋常でない背丈、大粒の為の倒伏の危険といった理由から特産酒米「強力」は姿を消しました。真の地酒の姿を追求し復活を願いました。
    
鳥取大学農学部で永年、少量だけ育種保存栽培されていた種籾から復活の道は開かれました。清酒造りに最適な低タンパクな米質を重視するため、低収穫量を覚悟の上で減農薬・低窒素肥料を心掛ける特別栽培契約米です。
YK35(山田錦35%精米)が主流の全国新酒鑑評会において、平成18・19年には全量強力米・精米歩合40%で最高位「金賞」を受賞し、強力米の優秀さは公的に証明致しました。

水へのこだわり

2. 洗米~浸漬

お米を蒸す前日、まずは白米についている糠を取りこぼしがないよう洗い流していきます。
精米歩合が低い吟醸酒でも、糠が残っていると不必要な雑味が出てしまうため、入念に洗います。
    
洗米後には水温・浸漬時間を管理のうえ、清らかな源太夫山の湧水(弱軟水)に浸漬させ、翌日の蒸し作業に備えます。
浸漬時間は米の精米歩合、品種、年などにより異なり、米の状態を随時確認し行われます。

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3. 蒸米〜放令

糖化酵素の作用を受けやすくするため、前日準備したお米を甑(こしき)に移し、お米を蒸していきます。
中川酒造ではベトベトの肌米(お焦げの逆)防止のため、疑似米袋を甑の底に敷き詰め、均一な蒸気が回るよう格別に丁寧な配慮をしています。
    
吐く息も白い冬の朝。
100℃で1時間お米を蒸せば、もくもくと湯気が天井まで立ち込んでいき、お米のいい香りが部屋全体に広がっていきます。
蒸されたお米を放冷機で冷やし、酒造りに適した表面がべた付かない「外硬内柔」の状態にします。
中川酒造の一部吟醸酒造りでは蒸し米の自然放冷を行い、蒸米のサバケをより良くしています。

水へのこだわり

4. 麹・酵母

「1麹(こうじ)、2酛(もと)、3造り」
   
酒造りで最も大事な麹造り。
アルコール発酵とは糖分を分解し、アルコールと炭酸ガスを生成すること。
しかし、原料のお米には糖分がありません。糖分を得るため、お米のデンプンを糖化させる麹菌の胞子を蒸米にふり、これを繁殖させていきます。
蔵人は温度・湿度管理、そして「床もみ」「切り返し」「盛り」「仲仕事」「仕舞仕事」「出麹」という2日がかりの手作業を施しこの小さな菌たちが健全に繁殖できるようサポートしていきます。
酒母造りで使用する酵母菌は日本醸造協会が純粋培養している7・9号酵母などですが、長年培われた蔵付き酵母の影響もあり、中川酒造独特の味わいとなります。

水へのこだわり

5. 仕込み~発酵

出来た麹と酵母をもとにして「酒母」を造り、繁殖していく酵母菌が衰えないように蒸米・麹・仕込み水を3段階に分け加え、醪(もろみ)を造ります。
麹が米を糖化させ、酵母菌がこの糖分をもとにアルコールを造っていく。
生成される炭酸ガスがボコボコと吹き、甘い香りが漂ってきます。
タンクには随時温度を管理・調整できるシステムを導入し、健全な発酵を進めるため、タンクに巻いたベルトに水を流し温度管理を行っていきます。
低温に保ったまま約3週間後、待ちに待った搾りの作業が始まります。

水へのこだわり

6. 搾り

発酵を終えた醪を圧搾機にかけて絞ります。
これにより醪から皆様が普段から見ている透き通った日本酒になります。
   
中川酒造の圧搾機は低温が保たれる冷蔵室内にて稼働しています。これにより外気温に左右されず、カビなどの品質劣化の原因を防止できる衛生的な環境を作っています。

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7. 貯蔵

貯蔵期間や貯蔵方法で酒質が変わるのも日本酒の醍醐味。
中川酒造の「あぶないお酒 五割搗き強力 生にごり」は、加熱処理(火入れ)を行わず瓶詰した生酒であり、瓶内発酵をさせることにより、シュワっとした爽快な炭酸を楽しめます。
   
搾ったお酒を貯蔵する場合、麹が生成した酵素が残り、日本酒の味を変える要因となってしまいます。
これを防ぐため、65℃の火入れを行い、春・夏の貯蔵に備えます。夏越えさせることで飲み口はまろやか、香味も整い、味わいはより深くなっていきます。

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8. 瓶詰

中川酒造では地元の産地限定酒米「強力(ごうりき)」100%使用のお酒 強力シリーズにおいて、強力米の男性的で力強い味わいを体感してもらうため、炭素ろ過を極力控えて瓶詰めを行います。
お客様に安心に飲んでいただけるよう、複数項目の目視チェック・官能検査・成分分析等を行ない、鳥取の地酒をお客様のもとにお届けします。

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